この記事では、星渉(ほし わたる)さんが2021年12月に出版された「神モチベーション『やる気』次第で人生は思い通り」という書籍を参考に、やる気をコントロールする方法について、解説します!
やる気の鍵は3つのモチベと、2つの記憶が握っている
モチベーションには3つの種類があります。
1つ目が “ハイモチベーション”
2つ目が “アクティブモチベーション”
3つ目が “ギャップモチベーション”
また、モチベーションを利用するために重要な ”記憶” には2つの種類があります。
1つ目が “未来記憶”
2つ目が “過去記憶”
以下でそれぞれ解説します。
ハイモチベーション 〜短期的なので頼るのは危険!〜
気分が “ハイ” になっている時のモチベーション、つまり一番やる気がある状態のことです。
例えるなら、本屋さんで自己啓発本を読んだ直後の「今日から人生を変えてやる!」という状態や、
スタイリッシュな体型の人を見て「シュッとしたお腹周りになるために、今日から腹筋頑張ろう!」というような状態です。
「俺はやってやるぜ!うぉぉ!」と燃えている状態のことですね。
このハイモチベーションは非常に強力ですが、一番危険なモチベーションであると言えます。
なぜなら、このモチベーションは多くの場合 “続かない” からです。
腹筋を鍛えるために頑張ろうと意気込んだとしても、1日目は頑張りますが、3日目になるともう腹筋をしなくなっているという経験がある人も多いと思います。
まさにこのハイモチベーションに頼ってしまった結果ですね。
一度上がったものは、いつかは落ちます。
ハイモチベーションだけに頼ることがないように注意しましょう。
アクティブモチベーション 〜動くまでが大変!〜
ひとことで表すと「行動すればやる気は後から湧いてくる!」というものです。
あなたも学生時代に、
宿題が面倒でやる気が出なかったものの、一度試しに机に向かってみたら意外と集中できた!
という経験があるのではないでしょうか?
あるいは、先の腹筋の例で言うと、
腹筋30回やるのはやる気出ないけど、3回だけならできるかも・・・。
と思ってやり始めると、意外とそのまま3回以上できちゃった!というシチュエーションですね。
これがまさにアクティブモチベーションです。
やる気より先に手を動かせ!という人がいますが、これは科学的にも正しいとされています。
手を動かすことによって、やる気物質を出す”扁桃体”という脳の部分が刺激されるのです。
ただし、いくら科学的に正しいとはいえ、このアクティブモチベーションにも問題があります。
それは「動き出すまでが大変!!」ということです。
やる気を出すために動け、と言われても “動くためのやる気” がないと動き出すことが難しいのです。
ギャップモチベーション 〜最強のモチベーション!〜
脳は “ギャップを感じるとそれを埋めたがる” という性質を持っています。
この性質を利用したモチベーションを “ギャップモチベーション” と呼びます。
これこそ、最強のモチベーション、最強のやる気となるものです。
心理学では、自分の中に矛盾する2つの認知が生じたときにあらわれる不快感のことを認知的不協和と呼びます。
認知的不協和によって、人は自らの言動を変化させたり、過去の認知・新しい認知のどちらかを否定したりします。
例えば、「私は数学が得意である」という認知があるとします。
そして、友人など周りの人にも「私は数学が得意だ」ということを言っていたとします。
ある日、数学の勉強をしている中で分からない問題が出てきました。
他の教科であれば分からないまま調べることなく放置していたかもしれませんが、ここで2つの認知の矛盾が生じます。
1つは「私は数学が得意だ」という過去の認知、
もう1つは「この問題が解けない。調べるのも面倒なので放置したい。」という新しい認知。
新しい認知を肯定すると、「数学が得意」という過去の認知が崩れます。友人に問題を聞かれた時も教えてあげることができないので、「数学が得意」とは言えなくなってしまいます。
この矛盾を解決するために、新しい認知を否定して、この問題を解けるようになるまで努力します。
これが、ギャップモチベーションです。
私たちの脳はギャップを埋めなければ不快感を感じたままになるので、その不快感を取り除くために勝手に行動します。
ギャップモチベーションを使えば、やる気の有無は関係ないのです。
未来記憶 〜なりたい自分の姿〜
さて、ギャップモチベーションを利用するには、現在(=現実)と比較するための「記憶」が必要です。
「現実」と「記憶」を比較をして、そのギャップを脳に認識させることで、ギャップモチベーションが発生します。
比較対象となるべき記憶の1つ目は “未来記憶” です。
これは、ひとことで言うと “なりたい自分の姿” のことです。
例を挙げると、受験勉強における “志望校に合格した自分” という姿です。
“志望校に合格した自分” というのはまだ体験したことがない「未来の記憶」ですが、
仮に現在の自分が、あまりちゃんと勉強できていない場合、おそらくこの未来記憶は達成されない(=志望校に合格できない)でしょう。
ここで、現在と未来記憶との間にギャップが生じます。
このギャップを埋めるために「勉強していない」という現在の行動を変化させ、勉強をするようになります。
これによって、「志望校に合格」という未来記憶の実現に近づくことができます。
この未来記憶をより強力にするためには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 五感を使って具体的にイメージする。
- 強い感情を伴う。
先程の例を使うと、”難関の〇〇大学に合格して家族や友人から「すごい!」と言われ嬉しい気持ちになっている自分の姿” を何度も声に出したり身振り手振りを使って想像することで、未来記憶がより強力になります。
もう一つ、未来記憶と現実とのギャップを強烈に感じる方法があります。
それが、「人生の試着をする」という方法です。
例えば、洋服を購入する時に、
- ネットショッピングで「これはたぶん自分に似合うな」と想像しながら買う場合
- リアル店舗で実際に試着してみて、似合う服を着こなす自分を鏡で見ながら買う場合
どちらの方が、購入意欲が強くなるしょうか??
当然、後者の方が強そうですよね!
人生の試着とは、つまり未来の体験を先取りすることです。
例えば、お金持ちになって旅行にいっぱい行きたい!と思っている人がいたとします。
この場合、お金持ちになってから旅行に行きまくるのも良いですが、
あえて、お金持ちになる前に、何百万円もかかるモルディブ旅行を経験(=人生の試着)してみます。
この体験により、”お金持ちになりたい!” という気持ちがより強固になり、
仕事を頑張るためのモチベーションに繋がり、
ひいてはお金持ちになるという目標をより早く達成することができるかもしれません。
これがまさに”人生の試着”です。
そしてここでのモチベーションは、「お金持ちになって旅行をする」という未来記憶と「まだお金持ちではない」という現在のギャップから生まれたモチベーションです。
人生の試着は、ギャップモチベーションを強力にする以外のメリットもあります。
それは、「今目指しているところが、本当に自分の望むものであるか」を確認できることです。
自分が目標としていた高い山を登りきっても、
そこから見える景色が「自分の見たかったものじゃなかった・・・。」ということになることもあります。
人生の試着をすることによって、このような悲しい結果になることを事前に防ぐこともできます。
過去記憶 〜今までの努力と失敗の経験〜
ギャップモチベーションを利用する際の、もう1つの記憶は “過去記憶” です。
過去記憶とは、”今までの努力と失敗の経験” のことです。
ここでも例を挙げて考えましょう。
例えば、過去に理科のテストで100点を取ったことがあるとします。
この100点を取った時は、テストの1ヶ月前から勉強をしていました。
さて、次回のテストまでの期間がそろそろ1ヶ月になろうとしていますが、自分は
まだ勉強に着手していないとしましょう。
「前回はテスト1ヶ月前から勉強を開始したから、今回もそろそろ勉強を始めないとヤバいな・・・。」
と思うようになります。
これによって、「100点を取ったとき」の過去の自分(過去の努力)と「まだ勉強を開始していない」現在の自分との間でギャップを認識することになり、ギャップモチベーションが発動することで勉強を始めることになります。
また、他にも、
過去に国語のテストを1週間前からしか勉強しなかったため、60点しか取れなかった・・・。
という過去の記憶があった場合、
「前回は1週間で失敗したので、今回は1ヶ月前から勉強を開始しよう!」というモチベーションになります。
このような失敗経験や努力経験による過去記憶は、
経験を積めば積むほど「参照する記憶」の数が増えることになります。
そして、「参照する記憶」の数が増えれば増えるほど、
「モチベーションをブーストさせるタイミングが増える」ことにつながります。
モチベーションを高めやすくするためにも、多くの失敗を経験しましょう!
失敗はモチベーションの材料になります!
あとがき
今回の記事では、参考とした書籍の、ほんの一部のみを簡単に紹介しました。
書籍では、もっと多くの有益な情報が載っていますので、ぜひ書籍も手に取ってもらえればと思います。
また、この記事では、書籍には書いていないことや私の個人的な解釈も含めていますので、ご参考までに申し添えます。